札幌市で唯一の認定事業者となり他社との差別化を目指す
優良派遣事業者紹介の説明会には2度参加しました。初めて参加した時は認定基準が複雑に感じられ、「取得は厳しいのではないか?」と思いましたが、資料などを読んで理解を深めるうちに、社内規定の整備のきっかけになること、加えて札幌市に拠点をおく企業には、まだ認定を受けている企業が無かったため、他社との差別化も図れるのではないかと考えるようになりました。そして、2回目の説明会参加時は取得をするつもりで参加しました。
フェーズごとにメンバー数を調整しスムーズな対応を心がける
取得を目指すにあたり、まずは各部署の代表者を集め、優良派遣事業者認定制度の趣旨や会社としての方針を説明し、81ある審査項目に対してクリアできている項目がいくつあるのかを確認することから始めました。発足時のメンバー7名をいくつかのチームに分け、各部署の確認や対応事項の洗い出しを行い、毎週1時間の定例ミーティングで報告や意見交換、進め方の合意を取りながら進めました。参加メンバーは所属部署や担当業務がそれぞれ異なるため、週に1時間でもスケジュールを合わせながら日々の業務と並行して認定の準備を進めていくことは簡単ではありませんでした。一人で進められることがあれば単独で対応を進めつつ、他の方の意見を吸い上げて取り入れるようにして、できる限りスムーズに進むように心がけました。
認定取得を目指してルール変更や方針を浸透させていくフェーズになってからは、周囲の協力が必要不可欠です。周りの社員に対して、この認定の取得を目指す意図や、そのために必要な取り組みを浸透させ、協力を得ることが重要なポイントでした。
そのためには、少数精鋭でフットワーク軽く動けるほうがプロジェクトの進行も早いのではないかと思い、最終的にはメンバー数を4名に絞りました。部署内での浸透方法を4名で決め、そこからは約1年かけて毎月の進捗状況や新たに決まったルール、これから対応しなければいけない事への協力依頼を部署や全社のミーティングで報告・共有しました。
認定を機に情報共有が促進されトラブルが減少し円滑な引き継ぎを可能に
通常、派遣スタッフが契約満了で別の派遣先に就業すると担当営業が変わります。そのため以前の担当者が確認済みの点を新たな担当者が再度聞いてしまう、ということが発生していました。しかし認定に向けた準備により、派遣スタッフとのやりとりを全員で共有し、誰が誰にどんな対応をしたのか記録が残せる社内ツールを整備したことで、前担当者の聞いている情報を確認できるため、引き継ぎがスムーズになり、トラブルが少なくなったと思います。
オンライン審査は 準備が大変な一方、約半日分の時間短縮になった
審査は一発でクリアしなければならず、緊張感が非常に高いため、審査員の空気感や表情を読みたいという気持ちから訪問審査を希望していましたが、新型コロナウイルスがまた感染拡大しつつある時期で、緊急事態宣言や蔓延防止措置など政府の動きもあったため、オンライン審査に切り替えました。
訪問審査を前提につくった資料が完成しつつある段階でしたので、そこからオンライン審査用に資料を見直し、手作業で行なっていたマスキングをデジタルデータに加工した上で、500個ほどの PDFファイルを作成し、審査機関と共有できるようにする作業は大変でした。
準備が大変だった分、審査当日はスムーズだったと思います。事前に資料を共有することで審査機関の方も確認がしやすく、不足している点があればすぐにやり取りができました。訪問審査だとほぼ丸1日かかると聞いていましたが、オンライン審査では5時間ほどで終了したため、時間を大幅に短縮できたと思います。
審査前日は、当日と全く同じタイムスケジュールでシミュレーションを行いました。当日と同じ時間に始めて、同じ時間に休憩時間に入るという全体を通した予行練習です。
81ある審査項目はそれぞれ説明する担当者が異なっており、最初は説明する人とPCの操作をする人を分けずに行なっていましたが、前日のテストで説明と操作を分ける方法がベストだと分かりました。説明の内容とスピードに合わせて画面を切り替えるという操作の連携を事前に確認できたため、当日も問題なく進められました。
認定事業者として期待に応えながら次回の更新を目指す
取得後は認定マークを名刺や営業資料に添えたり、当社のホームページに認定事業者であることを説明するページを設けるなどして活用しています。
社外から認定事業者としてかけられる期待に応えることや、たくさんの審査項目を高水準で保ち続けなければいけないという適度なプレッシャーの中、取得以降、数字ではなく気持ち的な部分で社員たちの士気が高まり、会社の雰囲気がいい方向へ向かっていると感じています。
次回の更新も必ず取るという気持ちを持ち続け、日々の業務に取り組んでいきたいと思います。