認定取得は高いハードルだが自社の運用を見直す機会に
優良派遣事業者認定は、派遣法で定められている内容のみならず、さらに高度な取り組みや事業運営が求められる、大変ハードルの高い認定資格です。当社でも、会社の方針で「優良派遣事業者認定取得を目指す」と初めて示されたときは、正直、大変そうだなと感じました。
実際に、認定制度で定められている基準に則って、様々な項目について、当社が適正に不備なく運営できているかを一つずつチェックして、必要に応じてエビデンスとなる事例を探す作業は、大変ではありました。
しかし、私たちの取り組みや運用を見直す良い機会になったことは間違いありません。
自分たちが正しいと思っていた運用が、認定制度を受けるにあたって不足していたり、更なる改善点が見つかったりしたので、認定を受ける頃には万全な体制・状態を築くことができました。
オンライン審査を選択し、地方拠点の社員も参加することで社内教育や制度の理解に
初回の認定は対面審査で、本社で取りまとめて実施しましたが、更新に際してはコロナ禍だったこともあり、オンライン審査を選択しました。オンラインであれば本社だけではなく各拠点の社員にも参加してもらうことができるため、各拠点の新人の方にもプロジェクトメンバーとして参加してもらいました。
認定取得に向けた準備は、社員教育の機会にもなります。派遣に関するルールやその理由を深く理解することはもちろん、コンプライアンスへの意識も高まり、社内のルールや制度そのものの理解も進むため、更新時は前回の認定取得を担当した本社メンバーを中心に、当社が運営する静岡県の拠点からも4名の新人に加わってもらい、計7名でチームを組成しました。
ホームページの改修など、全社で対応すべきことは本社側で対応し、個別契約書や基本契約、派遣先との調整などは現場部門が、それぞれ役割分担をして定期的に会議をしながら進めました。
苦労したのはエビデンスの選定です。
数千件に及ぶ履歴の中から、エビデンスとして適切なものを選定する作業には時間がかかりました。
事前準備では、画面越しのオンライン審査でも問題なく説明できるように準備をして審査に臨みましたが、うまく伝わるように説明できるか不安に感じていました。しかし、実際のオンライン審査では、私たちの説明が不足していたとしても深堀していただけるような質問もしてもらうことができ、不安は杞憂に終わりました。
あらかじめ提出した資料を確認いただいていたため、不足がなかった点に関しては「こちらは事前に確認済みです」と進めていただいたところもあり、事前に想像していたよりも、とてもスムーズに進みました。
全国展開している企業とそん色ないレベルで事業が運営できている証明に
当社が運営する拠点は、本社がある岡山県、山形県、栃木県、埼玉県、静岡県、京都府、大阪府、奈良県にあり、それぞれの拠点ごとにその地域に合わせた対応を行っている部分もあります。
なかなか全国規模の会社がどのような運用を行っているのか知る機会はありませんでしたが、この制度を取得することで、全国で一般的なルールや運用方法について知ることができました。準備期間中には、改めて自分たちの業務の進め方を見直すことができました。
また、認定取得後は自分たちの事業やサービスレベルをより高め、全国展開されている企業さんとくらべてそん色ない事業運営をできている証として、お客様に証明することができます。
認定取得は簡単ではありませんが、それ以上に取得するメリットが大きいと感じています。
取得企業が少ない地域では認定取得が差別化に。社員の意識も変化した
優良派遣事業者認定マークを名刺に印刷したり、配布されるポスターを掲示したり、パンフレットを営業活動に活用したりしていますが、取得企業が少ない地域では、特に競合他社と比較して大きな差別化になっているのを感じています。
また、初めて派遣企業をご利用されるお客様から「どの派遣会社を選んでいいか分からない」とご相談をいただくことがあります。その際には、安心できる派遣会社を選ぶ基準として優良派遣事業者認定があることをご紹介しています。
私たちも認定企業となったことを受けて社員の意識に変化があり、以前よりも細やかに配慮・留意しながら業務を行うようになりました。
優良認定を受けた派遣事業者として胸を張って、周囲へ周知したい
優良認定を取得した以上は、恥ずかしい行為は絶対にできませんので、以前よりも細やかに配慮・留意しながら業務を行ったり、コンプライアンスへの意識が非常に高まったと感じています。
今後は、優良認定取得している企業だというところで、胸を張って営業活動を続けていくと共に、この制度についても企業様やスタッフさんにも、もっと周知しながら活用していきたいと考えています。